神宮大麻とは
伊勢神宮は皇室の御祖神であり、我々日本人の大御祖神である天照大御神様をお祭りしています。「神宮大麻(じんぐうたいま)」とは、日本の中で最も貴いこの伊勢神宮の御祭神、天照大御神様のお神札のことを言います。
神宮大麻は、古くは「御祓大麻(おはらいたいま)」「御祓(おはらい)さん」などとも呼ばれ、御師(おんし)といわれる、参詣者の案内や祈祷・宿泊をお世話する祈祷師の人々によって配られていました。「大麻(たいま)」とは、もともとお祓いに使われた麻などのことでしたが、後に、お祓いを受けて授けられるお神札のこともこう呼ぶようになりました。
それではなぜ神宮大麻や氏神のお神札をまつるのでしょう。天照大御神さまの広大無辺の御神徳を仰ぎつつ、家族や職場の平安を願って神宮大麻をおまつりするのです。太陽の光の様に明るく恵み多いその御神徳は、さまざまな災厄から私たちをお守り下さり、生きる力となるのです。又、氏神様は地域の守り神です。神宮大麻と氏神さまのお神札を一緒におまつりすることにより、それぞれの神さまのはたらきが家庭に調和をもたらし、家庭の平和とともに、それを支える国家社会の健全な発展へとつながるのです。神宮大麻をおまつりし、家族そろって感謝の祈りを捧げましょう。
そして日本には数々の年中行事が有りますが、中でも一年の始まりであるお正月は、最も大切な行事です。門松を飾り、おせち料理を作ってお迎えし、元旦には、家族そろってお雑煮を食べ、お屠蘇をいただき、新しい生命を身に受けるのです。お正月に新しいお神札をおまつりするのも、新しい年にあらためて神さまの御加護をいただくためです。お正月を迎えるにあたり、神棚を丁寧に掃除して、清らかな気持で、新しい「氏神さまのお神札」と共に「神宮大麻」をおまつりします。又、古い「お神札」や「お守り」は一年を無事に過ごせたことに感謝して、氏神さまに納めます。
全国の氏神さまで、「○○大神宮」や「神明社」等の社名をもち、天照大御神さまをお祭りしている神社は多数あります。しかし、神名は同じ天照大御神であっても、氏神さまはそれぞれ独自の由緒・歴史があります。また「氏神さま」は、主に氏子の人々の信仰を受けて、それぞれの地域をお守り下さり、「お伊勢さま」は、日本人全ての崇敬を受けて、広く日本全体をお守りくださるのです。このように同じ御神名ではあられますがそのお働きやお役目の意味合いが違いますので、それぞれの地域に住む者として「氏神さま」を、そして日本人として「伊勢の神宮のお神札」をおまつりしましょう。