神棚のまつり方(飾り方)
Q 神棚のお神札をおまつりしております3つの扉は開けておくべきか、閉めておくべきか、あるいは半開きとしたらよいのか悩んでおります。また、天照皇大神宮室の前にご神鏡を置く場合の扉の開け具合、ご神鏡の位置についてご指導ください。
A 三社造りの神棚ですね。扉はお神札をお祀りしている所を全開にし、空の所は閉めておきます。また、鏡を置く場合も扉は全開にしておくのが良いでしょう。置く場所は原則として階段を登り切ったところ、つまり扉の直前が良いと思います。
実は神棚の扉に関しては確定的な規則は無いのです。一般の神社では通常は閉じていて、大きな祭祀のときにのみ開きます。これに倣えば、正月三賀日、地元の祭礼日、他お目出度い日などにのみ扉を開き、普段は閉じておくということになります。また、起きている間あるいは仕事をしている間のみ扉を開けておくという形態もあります。この場合は毎朝扉を開けてお参りし、就寝前などにお参りをしてから扉を閉めます。
しかし、現在の一般的な形態は、最初に申し上げたように常に扉を開けておくのが正しいのです。神棚に収めるお神札は神社のご神体とは違います。お神札は、配布している神社と家庭とを結ぶものであるという言い方がわかりやすいでしょう。このように考えると扉は開けておいた方が良いことがおわかりになると思います。
Q 父が他界し子供と二人で新しい生活を始めるため、引っ越すことになりました。父が守ってきた神棚をどうしたらいいのでしょうか?ここで神棚をなくすことはできないのでしょうか。
A 最も良い方法は神棚も引っ越し先に移し、そのままお祀りするのが良いでしょう。宗教上の理由などでそれが叶わないのであれば、中のお神札(ふだ)を丁寧に取り出して、白い封筒に入れ、神職が常駐している神社に持っていって理由を話してください。引き取ってもらえるはずです。残った神棚も一緒に持って行って、処分をお願いしてみるとよいでしょう。その場合、お気持ち程度のお金(二千円程度)を白い封筒に入れて「御初穂料」と書いて渡されるとよろしいでしょう。神棚以外の灯籠や器などは自分で処分されて構いません。
Q 自宅が集合住宅の一階のため、神棚の上に「雲」という字を貼ろうと思っています。このとき「雲」という字は、どの向きで、どの辺りに貼ればよいのでしょうか。
A 「雲」という字は神棚の真上の天井と空(天)とを直接結ぶおまじないの一種です。神様が鎮座されている場所(お神札の場所)から見上げて「雲」と読めるよう、つまり逆さ字にならないように貼られると良いでしょう。ですから、「雲」という字の上が神棚側(壁側)に来るように貼ります。場所はお神札の前上ではなく、扉より外側の上が良いでしょう。