その他
Q 神棚にはどんな作用があるのですか。
A 家の中に神様の「恵み」を満たしてくれます。「恵み」はこちらに受け取る姿勢が無いと頂くことができないので、神棚は常に皆が意識できる場所に置くのです。神棚の前で日頃より感謝の気持ちを念じていると、自然と「恵み」をいただけるようになります。きっとあなたも実感できるようになるはずです。
Q 主人が部屋の隅に檜で神棚を作り、おまつりしようと言います。L型になるので、神棚になる檜の板を角を一ヶ所ほんの少し切ったら安定してよいと言うのですが、問題ないのでしょうか。それとも、神棚の板はきちっとした長方形でなければならないのでしょうか。
A この程度でしたら全く問題ありません。棚板自体がいびつな形になるのであれば避けられた方がよろしいですが、角を落とすくらいでしたら気になさる必要はありません。
Q お正月に破魔矢と熊手を購入しました。今は神棚がないのですが、家のどの場所、位置(方角)に飾ったらよいのでしょうか。また、神棚がある場合は、やはり神棚に飾るのでしょうか。その場合、どのようにすればよいのでしょうか。
A 破魔矢(守護矢とも呼びます)は魔除けの一種です。古来より日本では弓や矢に邪悪なものを祓う力や不思議な霊力があると考えられています。その力にあやかるためのものといえます。その意味では、縁起物と呼ばれる熊手や穂宝とはちょっと意味合いが異なります。
破魔矢には、これといった設置の決まりはないようです。ただ、一般的には神棚の周辺に飾られていますし、それで特に問題はないと考えられます(熊手などの縁起物は別)。家には神棚が無いとのことですので、家、あるいは主に暮らしていらっしゃるお部屋の鬼門(北東)側の鴨居の上など、とにかく人の目線より確実に高い位置がよろしいでしょう。向きは縦でも横でも斜めでも構いません。もちろん、この設置方法も一例に過ぎません。「部屋の出入り口の上」でも結構だと思いますし、「玄関を入ったら真っ先に目に付くところ」なども候補の一つです。ポイントは「鬼門」または「出入り口」ということです。
Q 初めて神棚を作り、神様をお祀りしました。知人が「御霊入れをしてもらいなさい」と言います。聞くところによるとそのお祭りを行う料金は○万円からだということです。この料金は何処でも同じなのでしょうか。また、例えばお金がそれ程払えないので、それより安い料金でやって頂くわけにはいかないのでしょうか。その辺の常識的なことを教えて頂けますか?
A まず、この場合は「御霊入れ」とは言いません。「神棚奉鎮祭」というお祭りになります。それと、一般に「料金」と言われますが、これは正しくは「初穂料」とか「玉串料」という言い方をします。神職が直接そのお金をいただくのではなく、神様にお供えしたお金をお下がりとしていただくからです。お金はあくまでも神様に気持ちを形にしてお供えするためのものなのです。
さて金額ですが、直接神社側に確認されることをお勧めします。事情を説明されれば相談にのってくださる神社が多いと思います。恥ずかしがらずに聞いてみてください。
Q この度私どもの会社にて、神棚を一つにすることとなりました。それに伴い、近々神主様をお呼びして、神事を行う予定です。このような場合、どのようにしてお金を包めばよいのでしょうか。また、包みの表には、初穂料・玉串料・御榊料・御祈祷料・神饌料など、どれを書けばよいのでしょうか。
A この場合は「神饌料」または「(御)初穂料」がよろしいでしょう。一人の参拝者として祭祀に出席され玉串拝礼をされる場合は「(御)玉串料」でも結構です。およそこの三通りを憶えておかれれば問題ありません。
ただ、地方によりしきたりもありますので、その場合は鎮守神社の神職にお尋ねください。鎮守神社がわからない場合は、当サイトの氏神神社検索でご確認ください。
一応、ご質問の各名称に込められた意味と、その使い分けの目安を示しておきます。それぞれの場面に合わせて相応しい表書きの言葉を選ぶことは、神霊への敬意の表れですので尊いことです。お気持ちに相応しい言葉選びのご参考になれば幸いです。
初穂料(はつほりょう)
「初穂(はつほ)」とは収穫したての稲穂のことで、新鮮なお米、すなわち新穀を意味します。もともと貨幣が流通する以前の時代においては、神様へたてまつる品物の代表格でしたが、今日ではこのお米の代わりとしての貨幣、という意味でこの言葉を使います。「神様へ美味しい新米をお供えしてあげてください」という気持ちを込めて墨書されると良いでしょう。神道式のお葬式以外はこの「初穂料」と書けば、まず差し支えないとご理解ください。
玉串料(たまぐしりょう)
玉串(たまぐし)とは神事において神様に差し上げる榊の小枝に木綿や紙を付けたもので、祈願する者がご神前にお祈りをするために捧げる物です。語源として「たましいの串」、「手向け串」、「天の岩戸開きのときに勾玉(まがたま)を掛けて祭祀をしたことに由来する」など諸説ありますが、いずれにしても神様と人の魂を通わせる意味で、神道では重要な品物です。神社恒例の祭典(春祭り、秋祭り)にお招きされた場合や、個人の人生儀礼やお祓い、お願い事など、神職に御祈願を取り持っていただくとき神社側が参拝者のために玉串を用意します。本来は祈願する者が自分で調達をして持参することが本義であったことから、その代行をしていただいた御礼という意味も込められているようです。特に祭典で玉串拝礼をさせていただくときに「玉串料」と書かれればよろしいと思います。
祈祷料(きとうりょう)
文字通り、厄除けや車のお祓いなどのご祈祷をしていただいた場合にお使いになればよろしいでしょう。意味合い的には、初穂料、玉串料と変わりません。
御榊料(おんさかきりょう)
神道式のお葬式である神葬祭において、御霊前にお供えするときに使います。神葬祭では仏式のような極彩色の花輪を供えるのではなく、榊を束ねた簡素なものが葬儀場に陳列されます。仏式でいうところの「お花代」「ロウソク代」的な意味合いとご理解いただければよろしいでしょう。
ちなみに神道でお葬式をあげられる場合の神葬祭での表書きは「御霊前」「御玉串料」とも書きます。市販の封筒で蓮の花が描かれているものは避けます。簡素な白無地の封筒に白黒、もしくは双銀の結びのものを選ばれれば結構です。表書きは通夜、葬儀ともに薄墨で書くことが古くから伝わっています。硯に墨を付けずに、水だけ浸した筆で、筆や硯に付いていた残り墨で書きます。これは予期せぬ訃報に慌てて墨をする間も惜しんで故人の元に駆けつけたことを暗に意味しているものと思われます。のし袋の折り方もお祝いとは逆で、上部の折が上になるように折り込んで結びます。最近の市販ののし袋には細かく解説が書いてあります。
神饌料(しんせんりょう)
神葬祭以外の神事にお使いいただいて結構です。
神饌(しんせん)とは神様にお供えする食物の総称であり、米、酒、魚、野菜、果物、塩、水などたくさんの種類があります。神様へのお供え物は、神職や氏子のお世話役の方々がお金を出して購入し、お祭のときに神様にお供えいたします。今日でも神様に祈願があるときには、お供え物をしたいというまごころで、実物のお酒やお米、初物の季節の野菜や果物などをお供えされることが一般的です。初物が採れたときに、まず先に神棚にお供えしたり神社に奉納するということが起源です。その実物の食べ物の代わりにお金をお供えする、という意味合いが「神饌料」にあります。
一例をあげると、ご祈?やお祓いを希望するではなく、祭典に参列したわけでもなく、旅行先で参拝した神社が大変荘厳で感銘を受け、神社にわずかでも寄付したい、と心に思われたときには、「神様のお供え物の足しにわずかですが使ってください」という気持ちを込めて「神饌料」と書きます。同じ意味で「お供え料」でも結構です。金額はお気持ちですのでいくらでも良いのですが、今日では五千円以上が一般的かと思われます。それに対し、神社の改築、新築の際の高額の金品の寄付の場合は、その用途目的が明確ですので「奉賛金」もしくは「寄附金」とすれば結構です。